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遺言書

遺言書が必要なケース

こういうケースでは遺言が必要です。

  • 財産が土地等の不動産に片寄っている
  • 個人で商売をしている場合、店舗などの土地建物を分割すると商売が続けられなくなるとき
  • 農業を継いでくれる者(長男など)に農地を全部相続させたいとき
  • 子どもがいないので、財産のすべてを配偶者に与えたい
  • 財産を与えたくない子どもがいる
  • 特に親身になって世話をしてくれている子どもに財産を多く与えたい
  • 兄弟姉妹間で仲が悪い
  • 先妻の子どもと後妻の子どもがいる
  • 異母(異父)兄弟間で遺産を分ける
  • 正式な婚姻関係外で生まれた子(非嫡出子)がいるとき
  • 養子がいるとき
  • 相続人間で経済力の差が大きいとき
  • 息子の嫁に財産を残したい
  • 内縁の関係の人に財産を残したい
  • 子どもを飛ばして孫に財産を残したい
  • お世話になった人に財産を贈りたい
  • 財団法人を設立、公益信託の設定をしたい
  • 奨学金、育英資金等のために寄付したい
  • 相続人がいない!
  • 行方不明の推定相続人がいる
  • 身体障害者の子どもがいる
  • 未婚の子どもがいる

など、上記の条件に思い当たることのある場合は、遺言書の作成をお勧めします。

事例

財産が土地等の不動産に片寄っている場合

相続財産が不動産に片寄っている場合には、分割の調整が難しく、遺言が無ければ係争の可能性が高くなります。

不動産は価値がバラバラで分割が難しく、遺言がなければ争いのもとになります。

相続財産のほとんどが土地・家屋のような不動産である場合に、特に土地は広さや場所により価値が大きく変わりますので、誰でもが高価で処分しやすいものや、収益性が高い物件を欲しがるものです。現金や預金などが多ければ、調整もつきやすいのですが、そうでなければ遺言書などを作成し、誰に何を相続させるかを指示しておかなければ、後で裁判になるケースは珍しくありません。

店舗物件など分割で商売が続けられない

個人で商売をしている場合、店舗などの土地建物を分割すると商売が続けられなくなるとき

主な相続財産が家業を行っている店舗とその土地だけの場合には、遺言書を書いておかなければ、相続のときに手放さなければならない場合があります。

個人で商売を営んでいる店舗は、自宅と兼用になっていることがよくあります。相続が発生した場合に、主な相続財産が店舗兼住宅であるときでも、商売を引き継がなかった相続人は、必ずと言っていいほど法定相続分を要求してきます。そのため遺言書により店舗兼住宅を商売を継いだ相続人に引き継がさなければ、家業が途絶えるどころか、商売を継いだ相続人が仕事と家を同時に失うことになります。

相続人1人に農地全部を相続

農地の全部を農業相続人に相続させたい。

遺言にて先祖代々守ってきた農地を農業後継者に相続させなければ、処分される可能性もあります。

農家など相続財産に農地がある場合によく問題となるのが、「農地の全部を農業相続人(長男など)に相続させたい」というケースです

こういう場合では、遺言書を作成することも大切ですが、その上で他の相続人から遺留分を返せと言われないように、生存中に他の相続人を納得させて、家庭裁判所に遺留分を事前に放棄させるという申立・許可を取る方法を併用して行う必要があります。

子どものいない配偶者に財産を全部与える

子どもがいないので、財産の全部を配偶者に相続させたい。

子どもがいないので配偶者に財産の全部を相続させたい(兄弟姉妹が相続人である場合には遺留分がありません)

被相続人に子どもや親がいない場合には、被相続人の兄弟姉妹、その兄弟姉妹が亡くなっていれば、甥・姪にも相続権があります。それまで夫婦で築いた財産を相続するにも、交流の途絶えていた夫の甥や姪の住所を捜して訪ね、同意をもらわなくてはなりません。

たとえば銀行預金の通帳から現金を引き出す場合でも、相続人全員の印鑑証明と直筆が必要となります。また相続手続きは1回ではなかなか完了しないのが現実ですので、その手間といえば相当なものとなります。    遺言書を書いておけば、配偶者は相続開始後の手間も省けますし、不必要な「争続」も防げます。

遺言書なしで亡くなった場合には、一番もめるケースになります。
配偶者に全財産を与えるという遺言を残すようにします。そうしないと、兄弟姉妹が相続人なりますので、その兄弟姉妹は財産の1/4を相続することになります。しかし「財産のすべてを配偶者に相続させる」という遺言書があれば、兄弟姉妹は遺留分がありませんから、すべての財産は配偶者のものとなります。

財産を与えたくない子どもがいる

子どもから虐待を受けた、若しくは重大な侮辱を受ける、又は子どもに著しい非行があったとき、その子どもを推定相続人から廃除(相続権を奪うこと)することができます。

子どもが親に対して虐待・重大な侮辱、または子どもに著しい非行があった場合には、どうしても財産を子どもに相続させたくないという気持ちになります。
そういう場合には相続人の廃除を行うことになります。
生前中に親の請求によって、家庭裁判所に廃除の審判をしてもらうか、または親が遺言で廃除の意思表示をすることにより、遺言執行者が遺言の効力発生後遅滞なく、家庭裁判所に廃除の請求を行うことになります。(廃除の効力は家庭裁判所の審判によって生じます)

推定相続人を相続人から外す場合には相続の廃除の手続きが必要となってきます。

廃除するための事由としては
○推定相続人が被相続人に対して虐待をしたこと。
○推定相続人が被相続人に重大な侮辱を加えたこと。
○推定相続人にその他の著しい非行があったこと(必ずしも被相続人に対する非行であることを要しない)。

になります。

特に親身に世話した子どもに財産を多く相続させる

特に親身になって世話をしてくれている子どもに財産を多く与えたい

面倒を見てくれる子どもに多くの財産を相続させたい。
家を継いでくれる長女に多くの財産を相続させたい。

あなたの老後のお世話をしてくれる子どもがいれば、遺言書を残すことにより、その子どもには他の子どもよりも多くの財産を相続させることができます。また家を継いだ相続人には、自宅などの財産は他の財産とは別として相続させたいものです。
相続のときにもめないように、誰が親の面倒を見て、誰が家を継ぐのかをよく話し合って、親が決定権をもって納得して遺言書を作成することが大切です。

自宅についてどう考えるか、その家を誰が継ぐかも大きなポイントになると思います。
親の面倒は必ずしも長男が見るとは限りません。長女が面倒を見るケースも昨今多くなってきています。そこで、“自宅の買換”や“自宅の建替”についてはよく検討して決めなければなりません。
そして最終的にモメないようにするためには、金融資産の確保が必要になります。
父母の面倒を誰が見て、家を継ぐかよく話し合いをして父母が決定権をもって納得して決めていく事が大切です。
そこで遺言書を作成する必要が出てきます。

兄弟姉妹間で仲が悪い

相続人の仲が悪い場合に遺言書がなければ「争続」になります。
子ども同士の仲が悪い場合には、無駄な争いをなくすため遺言書を作成しましょう。

民法では相続する割合(相続分)が決まっていますが、これは大まかな目安であり、遺言書がない場合には、誰が何を相続するかを相続人の間で話し合うことになります。 相続財産が現金預金のような簡単に分割できるものなら問題はありませんが、不動産などの場合には、分割が困難になるときもあります。
   特に兄弟姉妹間で仲が悪い場合には、相続の遺産分割のときに裁判をするということは、珍しいことではありません。遺される子どものことを真剣に考えれば、生前中に遺言書を作成して、相続争いを防止することが大切です。

遺言がない場合の分割は、兄弟姉妹の仲が悪いときは非常に大変です。
たとえば生前に「○○は子どもAにあげる。あとは皆で話し合いなさい」といった場合には、“言っていた”、“言っていない”という争いになりかねません。
  生前に遺言書があれば、こういうもめごとは防ぐことができます。
  しかし、分かっていながらも書いていないケースが山ほどあるのが事実です。子どもの頃の生活環境、結婚時の支度金、孫へのお祝いなど・・・この「家」は将来どうしたいのか、「先祖」や「墓」はどう祭りたいのか、文章にしておくことが大切です。
  また遺言書の中には、なぜそのような遺言の内容にしたか、以後兄弟仲よく暮らしてほしい等のメッセージを書くこともできます。
遺言書は本当におすすめです。

先妻の子どもと後妻がいるケース

前妻の子どもと後妻がいる場合の相続トラブル回避術。

先妻の子どもと後妻がいる場合、とにかく感情的になりやすいケースが多々あります。

先妻の子どもと後妻が同居していなかったり、仲が悪かったりする場合がよくあり、遺産争いが起こる可能性も非常に高いのが現実です。遺産分割協議をしようとしても、円滑には進まないことが多いでので、遺言できちんと定めておく必要があります。
遺言書により、子どもや後妻に対して思うとおりの遺産を相続させることが可能です。

異母(異父)兄弟間で遺産を分ける

異母(父)兄弟が遺産分割により不仲になるケースを防ぐ対策

異母(異父)兄弟間で遺産を分ける時に、普段は仲が良い異母(父)兄弟が、いざ相続になって財産を分割するときになると、突如不仲になるケースが見かけられます。この場合には、円滑な遺産分割協議ができなくなり悲惨な状況になります。
遺言書を書いておけば遺産分割協議の必要もなくなり、円滑で円満な相続手続が行えることになります。

正式な婚姻関係外で生まれた子(非嫡出子)がいるとき

相続人に非嫡出子がいる場合には、必ずと言っていいほどトラブルになります。

民法は、結婚して正式に籍を入れている男女から生まれた子どもを「嫡出子」、内縁関係にある両親の間にできた子どもを「非嫡出子」としています。

正式に籍を入れていない両親から生まれた子どもの場合に、法律上の父子関係を成立させるためには、父親の「認知」という手続きが必要となります。そのため、子どもが既に認知を受けているのであれば、被相続人の子どもとして相続をすることができます。
もし父が認知をしないまま死亡した場合には、父が死亡した時から3年以内に裁判所に認知の訴えを起こして親子関係を確認してもらうことができます。この場合、裁判所が認知を認めますと、子どもは出生時にさかのぼって親子関係が生じることになります。
非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の半分です。
 非嫡出子がいる場合には、通常に話し合うことができない場合が多く、遺産分割についても、必ずと言っていいほどトラブルになります。そこで被相続人となる親は、事前に遺言をして分割の遺志を書くことが必要です。それが責任を果たすこととなります。
また遺言により認知をすることもできます。きちんと遺言を書いておけば、相続後にも財産を非嫡出子に遺贈することも可能です。

養子がいるとき

養子がいる場合の、スムーズな遺産分割方法

養子縁組とは、民法上でも血族となり実際の親子関係と同じように扱うことになりますので、実子と養子が相続人となる場合には、相続分は同じ割合になります。
  養子縁組にも、連れ子養子や孫養子などいろいろなケースがあります。
遺産分割を行うとき、養子縁組をした者と他の相続人とが話し合いが上手に行くか?など不安も多いです。実子と養子の間で微妙にしこりが残ることも予測されますので、やはり被相続人が遺言で分割の遺志をはっきりし、円滑に遺産分割が行えるほうが良いと思います。

相続人の経済力の差が大きい

相続人の間で経済力の差が大きいとき

経済力の弱い相続人は出来る限り遺産をもらいたい!トラブルになりやすい!

相続人に経済力の差がある場合には、どうしても経済力に劣る相続人は、出来る限り多く遺産をもらいたいことから、トラブルの発端となる可能性があります。
必ずトラブルになるとは限りませんが、起こりやすいのは事実です。
遺言書があれば、基本的にはその内容どおりに相続が開始されますので、経済力の差によるトラブルを回避することに役立ちます。

息子の嫁に財産を残したい

大変お世話をしてくれた、息子の嫁に財産をあげたい

例えば、長男が不幸にも親より先に死亡した後、その長男の妻が亡夫の親の世話をしているような場合には、どうでしょうか?孫が代襲相続人となりますが、人情として、その嫁にも財産を残してあげたいと思うでしょう。
しかし、長男の妻にはもともと相続権はありません。
もし、長い間尽くしてくれた長男の妻にも財産を残してあげたいと思ったのなら、その旨を遺言書に書き残せば財産を遺贈させることができます。

内縁の関係の人に財産を残したい。

内縁の妻に、相続権はありません。財産を分ける場合には遺言書が必要です。

最近では男女の関係についても、必ずしも法律による婚姻にとらわれず、共同生活を送るカップルが増加してきました。このような状態を、内縁関係といったり、事実婚と呼んだりしています。
しかし相続の場合には、法律上の夫婦のみに相続権が与えられるので、内縁の夫婦には相続権がありません。
財産を内縁者に渡す場合には、遺言により財産を遺贈することになります。

子どもを飛ばして孫に財産を残したい。

一世代飛び越して財産を移転(孫に遺贈)させる遺言のメリットとは?

孫に相続財産の一部を遺贈したい場合には、しっかりとした遺言を残しておけば、孫に対して遺産を取得させることが可能です。
かわいい孫に教育資金として預貯金を遺贈するのも一つの方法です。
また孫へ財産を引き継がせるのは相続税法上の利点もあります。
孫に財産を移転する場合には、通常は2度の相続を経る必要があります。2度の相続による相続税は、大きな負担になります。
ところが、孫に財産を遺贈することによって1回分の相続税をパスすることができます。

お世話になった人に財産を贈りたい。

献身的に看病・介護してくれた息子の妻や近所の兄弟姉妹に遺産分与で恩返しができます

息子の妻や近所の兄弟姉妹に介護の世話になっているケースがあります。
これらの者に介護の世話になっている場合に、たとえ何年同居していたとしても、残念ながら法的な相続権はありません。そこで、感謝の気持ちとしてきちんと遺言を書いておけば、これらの世話になった人にも預貯金や不動産等を遺贈することができます。 検討してみる価値はあると思います。

奨学金、育英資金等のために寄付したい。

人生最後に社会貢献をしたい。奨学金、育英資金等のために寄付したい。

ご自身の遺産を社会に役立つ事業に使ってほしいと思われる方をお見受けすることがあります。そうした気持ちを遺言書に残しておくと、自分の意思を生かすことができます。
自分の財産を死後、病気や災害、自殺などで親を亡くした遺児の育英資金、奨学金等に役立ててほしいとお思いでしたら、是非、遺言書を作成してみてください。
遺言できる財産は、金融資金をはじめ土地・家屋などの不動産もできますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

相続人がいない!

相続人がいない人こそ、遺言が必要です!

相続人がいない場合に、特別縁故者もいなければ、遺産は国のものになってしまいます。したがって、“特別世話になった人に遺贈したい”とか、“お寺や教会、社会福祉関係の団体または各種の研究機関等に寄付したい”などと思われる場合にはその旨の遺言をしておく必要があります。
  なお特別縁故者の制度とは、被相続人の財産を被相続人と何らかの縁故関係にある者に取得させるほうが望ましいという観点から作られた制度で、法律上は相続人ではありませんが、実際上被相続人と深い縁故がある者に、遺産を分与する制度です。特別縁故者の範囲は、以下の方です。

○ 被相続人と生計を同じくしていた者
○ 被相続人の療養看護に努めた者
○ その他被相続人と特別の縁故があった者が該当します。

ただし、特別縁故者として認められるのは、ハードルが高いのが実情です。

行方不明の推定相続人がいる

行方不明の子ども(推定相続人)がいる場合には?

子どものうち一人が地方へ住所を移してから音信不通となり、兄弟は相続が開始したことを知らせることができないケースがあります。
つまり、行方不明の子どもがいる場合には、所在不明で連絡が取れない相続人がいるため、その他の子どもだけでは遺産分割協議ができず、遺産としての預貯金も一切引き出し出来ず、不動産の名義変更もできない事態になります。
そこで、遺言が必要になります。遺言を書いておけば遺産分割協議が必要なく、遺言執行者によって預貯金の引き出しや不動産の名義変更も円滑にできます。

身体障害者の子どもがいる

身体障害者の子どもがいる場合

身体障害者の子どもがいる人・・・親にとっては、病気がち・障害のある子どもの行く末は大変心配です。親が一生面倒を看ることができればいいのですが・・・。
健康な子どもも、そうでない子どもも相続分は同じです。そこで、遺言を書くことによって、障害のある子どもにより多くの財産を相続させることができます。障害の程度によっては、遺言者の生前、別の成年後見人を家庭裁判所で選任してもらうことができます。なお、未成年後見人は遺言で指定しておくこともできます。

未婚の子どもがいる

未婚の子どもがいる

未婚者で一人暮らしをしている人や「ひとりっ子で未婚の人」などは、相続人となるべき人(配偶者、子ども、親)が、いなければ相続人はいないことになります。
そうなると最終的には、国に財産を没収されることになります。
お世話になっている人に財産を遺贈し感謝の意を伝えたり、また育英会や奨学金に財産を寄付することにより、いままでお世話になった社会に貢献するなどといった、遺言を書いてみるのはいかがでしょうか?

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